カシオ計算機のOCEANUS(オシアナス)「OCW-T1000」は、同社では初となる電子式リューズスイッチを搭載したフルメタルクロノグラフ電波ソーラーウオッチだ。押す、引く、回すというシンプルなリューズ操作でワールドタイム都市変更やアラームセットなどができるモデルとして、時計ファンを中心に熱い注目を集めている。
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そんなT1000のデザインの狙いは何か。デザインを担当した、カシオ計算機 デザインセンター 時計デザイン部 第五デザイン室 リーダーの藤原陽氏に話を聞いた。【永山昌克,Business Media 誠】
――「オシアナス」というブランド全体のコンセプトと、デザインのコンセプトを教えてください
藤原 オシアナスは、カタログでは「エレガンス&テクノロジー」というキャッチコピーを掲げています。ブランドのコンセプトは、カシオ独創のテクノロジーを持ったスーツフィットスタイルのエレガントスポーツウオッチになります。その中でデザインのコンセプトはいくつかあります。
1つ目は、「薄型」のデザインであること。独自の薄型化技術をベースにして、スリムスタイルに徹底的にこだわっています。2つ目は「ユーザビリティ」です。操作性と視認性、装着したときのフィット感を追求しています。3つ目は「機能感」です。機能美と精緻感を追求した必然性のあるデザインであることを重視しています。4つめは「上質感」。シンプルなデザインでありながら、面形状と表面処理といった細部にまでこだわってデザインしています。
ブランドカラーはブルーです。オシアナスというのはそもそも海の神さまなので、紺碧の海をイメージさせるオシアナスブルーをポイントカラーに使っています。
仕様面では、10気圧以上の防水機能を備えます。ケースには表面の硬度を上げる処理を行ったチタン材を、ガラスには無反射コーティングを施したサファイヤガラスをそれぞれ使用。文字盤と針には、ブルーに発光する長寿命の蓄光塗料を使っています。さらに、マルチバンド6やタフソーターなど「タフムーブメント」に対応する、という条件になります。
――オシアナスのターゲットユーザーはどのあたりの層でしょうか?
藤原 30?40代前後を中心に、さらに上の世代の方も含めています。ただ、意外にも若い世代にも好評を得ているようです。
――T1000は、オシアナスの中でもどんな位置付けになるのでしょうか?
藤原 エレガントラインの製品として好評を得ている「Manta S1400」(OCW-S1400)に比べると、T1000はやや若い30代前半の層を中心に、特にモノ好きや機械好きの人たちを狙ったモデルです。といっても、子どもっぽいデザインにはならないようにしています。
T1000の大きな特徴は、カシオで初めて電子式リューズスイッチを搭載したスマートアクセス対応モデルという点です。これまでオシアナスにはリューズがありませんでしたが、初めてリューズを付けるということで、他社とは違う特徴のあるリューズまわりにしたい、店頭で埋もれないようなデザインにしたい、という思いがありました。
――リューズをデザインする上で考えたことは?
藤原 すっきりとまとめるのではなく、アイキャッチになるような特徴を出したいという考えから、デザイン当初はもっと大きくて、ごついものにしようというプランがありました。また、直感的に回せるリューズは丸い形状ではなくてもいいという発想もありました。
実は、リューズという呼び方はあまりせず、これはカシオ独特のスイッチなんだ、という考え方をしています。例えばスイッチ系のデザインなどさまざまなアイデアを検討し、デザインの試行錯誤を重ねました。
そして、最終的には「スーツ」に似合うという点を重視しながら、リューズスイッチの現在のデザインとして結実しました。人によっては好き嫌いはあるかもしれませんが、これならスーツにも似合いつつ、クセになるギリギリのデザインだと思います。あまりきれいにまとめると他社のモデルと似てしまいます。カシオならではのリューズを目指し、実現できたと考えています。
――カシオならではのリューズとは具体的にどんなことでしょうか?
藤原 リューズスイッチのデザインのポイントは、大型化のほか、他社があまりやらないような、蒸着をかけたガラスを先端にはめ込んだことです。操作面では、とにかく回しやすく、押しやすく、引きやすいこと。爪ではなく指の腹で引っ張り出せる形状といった点にこだわっています。
また、アラームセットとタイマーセットの際には、速く回すと大きく動き、ゆっくり動かすと細かく動く、というように回す速度に2段階の変化を付けたこともポイントです。
そもそもリューズの役割は、ゼンマイを巻くことや針を動かすことですので、電波ソーラー腕時計では、リューズは不要といえるかもしれません。しかし、例えばワールドタイムを操作するときなどは、針を回してセットし、行き過ぎたら逆に回してもどすといったことが自分の手で操作できます。
ユーザー自身がリューズで機構を制御し、時計の機能をコントロールできるのです。その感覚が従来のボタンスイッチよりも直感的で心地よく、使うことが楽しいと、感じていただけるようなリューズスイッチを目指しました。
――電子リューズとしてはカシオ初ということですが、リューズを付けて欲しいという要望があったのでしょうか?
藤原 直接的な要望というのはありませんが、オシアナスに限らず従来の電波ソーラーのクロノグラフで「操作が分からなくなってしまった」という声はありました。そういう意味では、例えば、「プッシュすることで、時刻、ストップウオッチ、タイマー、アラームといった機能の切り替えや針の操作ができ、どの状態からでも長押しすることで現在時刻表示に戻る」といった点など、リューズスイッチに主な機能を集約したことによって操作性が簡単になったといえます。
――リューズスイッチのほかにボタンや、裏ブタのデザインなども特徴的ですね
藤原 はい。これは「異形ボタンパイプ」と呼んでいるもので、ボタンの外枠が丸ではなく、四角いものになっています。リューズスイッチだけでなく腕時計の右側面全体で主張したいという狙いがあります。これも初めて採用した、今回のチャレンジの1つといえます。
裏ブタについては左右対称ではなく、大きなリューズを裏からもガードするような形になっています。当社には、そもそもG-SHOCKに代表される耐衝撃性の伝統があり、とにかく守る、フルガードいう考えがあります。
――文字板のレイアウトもユニークです
藤原 モジュールの設計者や仕様のスタッフと打ち合わせをして、カシオが考える新しいクロノグラフを生み出したいという狙いで、文字盤に2つ目玉のレイアウトを採用しました。インダイアルを縦に配列することで、ほどよく間を持たせながら、表示を上下に集中させています。クロノグラフだけども見やすく、すっきりとしたデザインにまとまったと思います。
――カラーリングには、どんな狙いがありますか?
藤原 カラーリングについては、S1400とは青の使い方を変えようという狙いがあります。S1400では青を装飾的に使っていますが、T1000では意味のある青の使い方をしています。
つまり、青色のリューズスイッチを押すと、6時位置のインダイヤルにある青い針が動きます。ストップウオッチとして使うときは、先端を青く塗った長針と短針がほかのインデックスよりも青を強調した12時に集結します。ワールドタイムを示す都市コードのまわりにも青いリングがあります。「これを押すとここが動く」ということを感覚的につかめるように、青の使い方に意味を込めたのです。
――そのほかの、デザインの見どころやポイントを教えてください
藤原 時針の太さや長さについては、当初は、昔の機械式のストップウオッチをイメージしてデザインしました。機械式のストップウオッチはかなり繊細で、研ぎ澄まされた目盛りの付け方をしています。そういう点に着目し、参考にしています。
さらに、各所に斜めの要素を取り入れた「スラントラインデザイン」もポイントです。文字盤の中央からリューズスイッチにかけての流れるようなラインや、ブレスレットのコマにもスラント(斜め)のラインを入れて、時計全体に躍動感を持たせています。
――個人的には、バックルのデザインが改良されたことが気に入りました。S1400よりも、T1000の大きなバックルのほうが使いやすく感じます
藤原 S1400の場合は、エレガントさを重視してバックル部分はコンパクトにしました。一方、T1000では使い勝手を考えて、大型のプッシュ機構を採用しました。
ちなみに、ユーザビリティ重視のT1000と、エレガントさ重視のS1400の大きな違いはガラスにもあります。S1400では、視認性を高めるために「デュアルカーブガラス」と呼ぶ表と裏が湾曲したガラスを採用しています。一方、T1000では表面のみがカーブしています。
また、研磨技術の最高峰といわれる「ザラツ研磨」のつかい方や、ブレスレット部分の作り込みなどにも差があります。こうした違いが、T1000とS1400の価格差として表れています。
――最後に、T1000をデザインする上で、一番こだわったことを教えてください
藤原 私自身が腕時計が好きで、プライベートでもさまざまな時計を楽しんでいます。気に入った時計を買ったときや、腕に着けたときの満足感は非常に大きなものがあります。そんな気持ちを大切にしながら、自分がデザインする上でも「自分が着けたいものを作る」ということを心がけています。
自分自身が時計ファンの1人として、お客さまを裏切らないようにしたいですね。T1000の場合も、コストの制限内で最大限のことを実現できたと思っています。例えば、こんなところにこんな青があしらわれている、この青がとても美しい、この造形が凝っているといったことは、購入して初めて気が付くことかもしれません。そんなこだわりを感じていただければうれしいと思います。
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引用元:ff14 rmt
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